基金の計上区分

こんにちは!
非営利法人・非営利事業を支援する会計事務所、アダムズグループ代表の堀井です。

「基金」と聞くと一般的には、資産に計上される「〇〇基金」など特定の資産としての財産を思い浮かべる方が多いと思いますが、法律上の基金といった場合、一般社団法人が定款に定めることにより設定できる一定の要件や合意の元に「返還義務のある負債」としての性格を有するものを言います。

返還義務があるため出資ではなく、借入と同様の性格を有することになりますが、なぜか公益法人会計基準では、貸借対照表の負債の部ではなく、正味財産の部に計上されます。

なぜ返還義務を負うにも関わらず負債ではなく、正味財産に計上されるのか疑問でしたが、お客様と基金について相談を受けているうちに負債に計上されない理由について1つの仮説を思いつきました。

それは、法定監査との関係です。

一定規模以上の公益法人の場合、公認会計士などの会計監査人による監査を受ける必要があります。
法定監査の条件としては、以下のいずれかを満たす必要があります。
収益の額が1,000億円以上
費用及び損失の額の合計額が1,000億円以上
負債の額が50億円以上
(一般社団法人、一般財団法人の場合は、負債の額が200億円以上のみが条件)

収益や費用が1,000億円以上という条件は、かなりハードルが高いものです。
一方で、負債の額50億円という条件は、基金を負債と考えると国から基金を多く集めている法人の場合、法定監査に該当する可能性が高いと想定されます。
そこで、この負債の額50億円という条件に該当しないようにするために基金を負債ではなく、正味財産として処理する方法が考えられたのではないかと仮説を考えました。

あくまで私の仮説ですが、基金について再度考える良い機会になりました。

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この記事の監修者

株式会社アダムズ
代表取締役 堀井淳史
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