令和2年「公益法人の概況及び公益認定委員会の活動報告」
12月10日に内閣府から令和2年度の「公益法人の概況及び公益認定委員会の活動報告」が公表されました。
本記事では、本報告の概要の説明を行います。
公益法人の概況について
公益法人数について
公益法人数は、9,614法人となり、前年と比較し33法人増加しています。
なお、公益法人のうち社団法人は4,175法人、財団法人は5,439法人となっています。
公益社団法人の社員数について
公益社団法人の社員数の平均値は799名、中央値は231名となっています。
学会などの公益社団法人の場合は、会員数が多いため、正会員=社員としている場合には、社員数は数千人以上となることが多くあります。
一方で、代議員制を採用している場合などは、どんなに正会員数が多くても社員数が数名から数十名となります。
公益財団法人の評議員数について
公益財団法人の評議員数の平均値は10.1名、中央値は8名となっています。
一部のスポーツ競技団体などは、多くの評議員がいる事例もありますが、財団法人の評議員は最低人数の3名であることが多いと感じます。
公益財団法人になるためには、役員等は最低でも7名は必要となります(評議員3名、理事3名、監事1名)。
そのため、実務にあまり関与できない評議員、監事は、最低人数とし、理事が各種業務を兼任するケールが多くあります
理事について
公益法人の理事数の平均値は13.7名、中央値は10名となっています。
ここで、理事の人数としては、10名前後であることが多い印象です。
ただし、全国規模の団体の場合は、各都道府県の代表者を選出し理事とするような団体もあるため、49名以上の理事がいるという公益法人も多数存在ます。
監事について
監事については、人数の平均値や中央値は公表されていません。
多くの公益法人で監事の数は、1名から3名以内となるためと推測されます。
ただし、常勤と非常勤の区分別の人数は公表されており、常勤監事がいる公益法人の割合は88法人となっており、全体の0.9%となっています。
公益目的事業の事業目的と事業類型
公益法人は、公益目的事業を実施する必要があり、認定法において公益目的事業として23種が定められています。
ここで、当該事業のうち「地域社会発展」が34.6%、「児童等健全育成」が21.3%、「高齢者福祉」が17.7%となっています。
また、実施している事業類型としては、「講座、セミナー、育成」が67.4%となっており最多となっています。
公益目的事業費用額
公益目的事業の費用規模としては、5千万円未満の規模の法人が全体の43.7%を占める状況となっています。
多くの公益法人では、数千万円規模で活動を行っている現状にあります。
公益認定委員会の活動報告
公益認定の状況
公益認定の申請件数は97件、答申件数は79件となっています。
申請から答申までは、一定の期間を要するため、単純に上記の数字で比率を算定することは適切ではありませんが、公益認定の申請後、約8割程度は公益法人になっていると考えられます。
立入検査の実施件数
立入検査の実施件数は、2,117件となっています。
全国の公益法人数が9,614件であり、3年に一度、立入検査が行わえることを考えると、やや少ない件数と思われます。