公益法人の役員変更と届出
3月決算が多い公益法人業界では、6月の総会・評議員会で役員改選、7月に役員変更登記を行い8月に行政庁に役員変更届を提出するというスケジュールが多くあります。
そこで、今回は、役員変更届の提出時の注意点について解説を行います。
公益法人の役員変更の届出提出時期
まず、役員変更届出の提出時期ですが、「変更後に遅滞なく」とされています。
「遅滞なく」とだけ明記されており、明確な提出期限は定められていません。
しかし、当然ながら余りにも遅れてしまうと行政庁から指摘を受けることになります。
そのため、役員変更の登記が完了するまでに役員変更届出のドラフトを作成しておき、登記完了と同時に役員変更届出を公益法人インフォメーションから提出するという管理体制を構築することが望まれます。
公益法人の役員変更の届出内容
次に、変更届の内容ですが、作成する理事等の名簿については、登記簿の記載順と一致させることが求められています。
そんため、前回作成した役員変更届をデータ流用して更新する場合は、理事等の名簿の順序が登記簿と一致しているか提出前に確認する必要があります。
また、理事等の名簿に記載する役員の住所と郵便番号は、警察庁等への照会事項であるため正式な表記で記載をする必要があります。
例えば、北海道や京都府の住所では、住所に漢数字が入る場合があります。当該住所の数字を算用数字で記載をしてしまうと修正が求められる事例もありました。
まとめ
役員変更届は頻繁に提出するものではありません。
そのため、事務局の交代時など、引き継ぎの漏れ等が生じると役員変更届出の提出を忘れてしまうということも想定されます。
また、役員変更届出の記載方法には、登記簿と一致させるなど、実務的な対応を求められることもあります。
内閣府が公表している手引き以外にも公益法人内部のマニュアル等により作成ルールを整理するなどの対応が有用となります。