社団法人の基準日

こんにちは!
公益法人・学会・業界団体を専門とする会計事務所、株式会社アダムズの堀井淳史です。

多くの公益法人・学会・業界団体が3月決算となっていますので、タイムリーな話題を掲載したいと思います。

今回のテーマは「基準日」です。

株式投資をされている方は、分かると思いますが、株式会社には基準日というものがあります。これは、いつの時点の株式保有者を株主として取り扱うかを決めることです。

理想としては株主総会の日に株式を持っている人を株主総会で株主として取り扱うことが良いのでしょうが、上場企業など毎日多くの株の売買が行われる株式会社の場合、召集通知の発送などを考えるとそれは不可能です。

そこで、特定の時点の株式保有者を株主として取り扱い、株主総会での議決権を与えたり、配当を出すことになります。

違和感があるかと思いますが、実務上、仕方ありません。
いま、ニュースを騒がせている某家具店もこの問題があり、3月末時点の株主は既に株式を売却しているにも関わらず、今回の株主総会で議決権を行使する矛盾が生じているようです。

さて、前置きが長くなりましたが、このような基準日は、社団法人にも認められるかが問題となります。
すなわち、特定の日の社員をもって、社員総会の社員として問題ないかという点です。

まず、法律の前提として株式会社には「基準日」について会社法で明記されていますが、社団法人には、一般社団法人及び一般財団法人に関する法律(以下、「一般法人法」)に記載がありません。

これについて一般法人法は、ほぼ会社法を真似ているにも関わらず、基準日について記載がないのは、基準日を認めないことを意味しているという解釈と法律に記載がないのだから法人自治として基準日は認められるという考えあります。

ここで、公益法人協会は、基準日は認められる旨の記載を著書の中で行っています(公益法人・一般法人の運営実務 第2版、平成25年5月31日、25ページ)。一方、全国公益法人協会が発行所となっている書物では、基準日は認められないと明記しています(一般社団法人、公益社団法人の社員総会Q&A、弁護士 熊谷則一著、平成25年4月3日、20ページ?22ページ)。

上記のように公益法人専門の団体ですら、意見の分かれるというのが実情です。

今後、裁判実務や内閣府等から追加情報があるかもしれませんが、日本の株式会社の基準日から株主総会までの日付が長期間であり世界標準からズレていることや、社員の権利保護という観点からすると私も全国公益法人協会の考えと同意見です。

実務で明確になれば、今後、情報発信させて頂きます。

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この記事の監修者

株式会社アダムズ
代表取締役 堀井淳史
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